Walking Playerと類似アプリとの比較について

Walking Playerと他の類似アプリについて、いろいろ比較してみたいと思います。
(もちろん、これはWalking Player作者目線であることをご了承ください。)

実は、このアプリを作り始めたころは、あんまり深くライバル調査していませんでした。というか、無償提供で広告収入任せ(広告を見ないでバックグラウンドで使うならアプリ内課金)の予定だったので、少なくとも無償でテンポを自動解析するアプリは他にいないことを確認して開発を始めました。

でも、開発終盤(というか、ほとんどリリース前)になって、やっぱり有償アプリで類似コンセプトを持っているものが、どれくらいすごいのか気になってきて、いくつか購入して調べてみました。

で、近いコンセプトを持つ以下の3つの有償アプリと比較してみたいと思います。

[各アプリのコンセプトと概要]

  • AudioStep
    このアプリは、Walking Playerを開発している最中(2013年6月頃)にAppStoreの新着情報で見つけました。つい最近リリースされたアプリです。このアプリのコンセプトはちょっと変わっていて、ランニングする時のテンポは180BPMで走ると怪我のリスクが減るよ~。だから、このアプリで全部の曲を180BPMに変更して再生しちゃうよ~!ってことだそうです。まぁ実際には180BPMだけじゃなくて、120~200BPMまで調整できるのでウォーキングにも使えます。でも、ちょっとゆっくりめに100~120BPMくらいでウォーキングしたい場合、対応できません。(95BPMなら倍数換算して95×2=190BPMで合うんですけど、100~120BPMに合わせられる倍数値がありません)
  • Tempo Magic Pro
    このアプリは価格が高い(¥450)ので、開発着手段階では調査対象外にしてました。が、コンセプトはWalking Playerにとても近いです。これを100円以下の低価格でリリースされていたら、Walking Playerは開発はしなかったかもしれません。テンポ調整範囲は(HiFi Modeで)元のスピードの-50%~+50%まで可能ですので、倍数換算すればどんなテンポにも合わせられます。でも、ちょっと自動調整の仕方が甘いと思うんですけど、例えばオリジナル128BPMの曲を170BPM(+33%)で再生してて、次の曲に替わってオリジナルテンポが98BPMになった時、+50%の146BPMに再生テンポが落ちちゃうんですよね。こういう時は、98BPMの-14%で85BPMにしちゃえば、倍数換算で85×2=170BPM相当のテンポを続けられるのに。もし低価格でリリースされててもこういう点だとか、後で説明する再生曲選択機能だとかに不満を感じて、結局Walking Playerを開発しちゃったかな。
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク
    天下のYAMAHAさんがリリースしているアプリです。無償版の「BODiBEAT Free for iPhone」ってのもあるんですが、そちらは自分が持ってる楽曲を再生するのではなく、アプリが自動作曲したリズムを流すだけなので対象外です。「BODiBEAT GPS ラン&ウォーク」の方は、iPhoneに入っている曲を再生できます。そのコンセプトを説明した動画がhttp://www.youtube.com/watch?v=E44InxmFc8Aにあるんですが、まさにWalking Playerのコンセプトそのものです。さすがYAMAHAさん、わかりやすいPVを作ります。あの動画の「BODiBEAT」を「Walking Player」と書き変えたいくらいです(笑)。が、YAMAHAさんのやり方は、元の楽曲のテンポを変更するのではなく、今の運動テンポに合った楽曲をオリジナルテンポのまま再生しようという考えです。つまり、Walking PlayerのAdjust Playモードは無しで、Skip Playモードのみってことです。いや、Skip Playと同じだというのは少し語弊がありまして、このアプリがすごいのは、iPhoneの加速度センサーを使って、自分が今歩いているテンポを測定し、そのテンポにあった曲を再生するということです。実はYAMAHAさんは、このアプリを出す前に2009年頃から「BODiBEAT(http://jp.yamaha.com/support/fitness/bodibeat)」というランニング/ウォーキング用ミュージックプレイヤーを販売してて、当時¥29000くらいしたかと思うんですけど、私は実際にその製品を買って使ってました。保証書に手書きでシリアル番号が書かれてて、結構初期ユーザだったと思います。で、その機能をそのままiPhone上に作りこまれたのが「BODiBEAT GPS ラン&ウォーク」なのですが、昔から結構不満があったんですよね。何が不満だったかというと、「今自分が聞きたい曲が再生されない!」ってことです。自分が選ぶんじゃなくてアプリが適当なのを選んじゃいますので。それと、疲れてきてちょっとペースが落ちたら、曲の途中で勝手に別の曲に替えられるってことも不満でした。好きな曲を聞きながらぎりぎり頑張っていたのを勝手に替えられて、ペースを戻してももう別の曲しか選ばれないって感じです。それで、かなり不満を持って「BODiBEAT」を使うのはやめてしまいました。その後は、自分で手動テンポ解析してウォーキングにあった曲を手動でプレイリストにしてiPodで再生するというのを数年やってました。そして、今年になってiPhoneでアプリを開発できる環境がそろったので、今までの不満を解消するWalking Playerを自分で作ったのです。そう、実はWalking Playerの開発原点はBODiBEATの不満から来ています。Walking PlayerのSkip Playモードは、自分が今歩いているテンポを測定しませんが、それでいいんです。「今日も歩くぞーっ!今日はこのアーティストの曲からそのテンポに合うやつだけを選んで再生してくれー!ペースが落ちても自分が頑張ってペース戻すから曲のテンポは替えないで再生続けてねー!」って言えるのが、Walking PlayerのSkip Playモードです。
    でも、「BODiBEAT GPS ラン&ウォーク」がすごいのは音楽再生だけじゃなくて、GPSで走行経路を記録したり、FacebookやTwitterに投稿したり、別の人とテンポを合わせたりといった、多彩な機能があることでしょうね。Walking Playerは、そういうのは一切やめることにしてまして、そういうのが必要ならNike+Runningとか別のランニングサポートアプリと一緒に使えばいいんじゃない?って考えです。

以下、項目別に比較してみます。

1.[価格]

  • AudioStep

    ¥170
  • Tempo Magic Pro
    ×
    ¥450
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    ¥170
    BODiBEAT GPS ラン&ウォークは、9/1までキャンペーン価格¥85です。
  • Walking Player

    ¥0
    アプリ内課金¥85で、広告削除とバックグラウンド再生継続ができます。

2.[対応OS]

  • AudioStep

    iOS6.1以上が必要
  • Tempo Magic Pro

    iOS5.0以上が必要
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    iOS5.0以上が必要
  • Walking Player

    iOS6.1以上が必要

3.[日本語対応]

  • AudioStep
    ×
  • Tempo Magic Pro
    ×
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク
  • Walking Player

4.[再生曲選択機能]

  • AudioStep

    アプリ専用のプレイリストを作成し、その中から再生曲を選択します。
    プレイリストが1個しか登録できず、後でプレイリストに曲を
    追加しようとすると先に登録済みのプレイリストがクリアされます。
  • Tempo Magic Pro

    アプリ専用のプレイリストを作成し、その中から再生曲を選択します。
    プレイリストは複数作成可能ですが、プレイリスト作成中は曲の再生がstopします。
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    アプリ専用のプレイリストを作成し、その中から再生曲を選択します。
    プレイリストは1個しか登録できません。
    再生中(ワークアウト中)はプレイリストの編集ができません。
  • Walking Player

    標準のミュージックプレイヤーと同じように、直接アルバムやアーティストを
    選んで再生できます。プレイリストを作成する必要はありません。
    再生中に別の曲一覧を表示可能です。

(コメント)
Tempo Magic Proのレビューでも指摘されていますが、アプリ専用のプレイリストを一旦作らないといけないのは、結構面倒です。「今日はこのアルバムでウォーキング、明日は別のアルバムでウォーキング」みたいなのが面倒になって、だんだん同じプレイリストしか使わなくなります。Walking Playerは、標準のミュージックプレイヤーの代替として使えるレベルを目指していて、CDからインポートした曲やiTunesStoreから購入した曲を直接指定して、すぐにウォーキングに使えます。実は、Walking Playerの開発で一番手間がかかっているのは、この標準のミュージックプレイヤーと同等レベルの曲選択機能です。

5.[再生テンポ変更機能]

  • AudioStep

    テンポ変更可能範囲は120BPM-200BPMです。
    ちょっとゆっくりめに100~120BPMくらいでウォーキングしたい場合、対応できません。(95BPMなら倍数換算して95×2=190BPMで合うんですけど、100~120BPMに合わせられる倍数値がありません)
  • Tempo Magic Pro

    テンポ変更可能範囲は、HiFi Modeで元のスピードの-50%~+50%の範囲です。
    手動でテンポ変更すれば、倍数換算でどんなテンポにも合わせられますが、自動調整機能が甘く、曲が変わると再生テンポが変化する(倍数換算でも合わない)ことがあります。
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク
    ×
    テンポ変更機能はありません。
  • Walking Player

    テンポ変更可能範囲は元のスピードの1/2倍~2倍の範囲です。
    オリジナルテンポと設定テンポがかけ離れている時は、倍数換算で調整するため、曲が変わっても一定のテンポでウォーキングを続けられます。

6.[テンポが合う曲のみを再生する機能]

  • AudioStep
    ×
  • Tempo Magic Pro
    ×
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    運動テンポを加速度センサーで測定し、それに合った曲を再生します。
  • Walking Player

    指定したテンポ範囲の曲のみを再生します。

7.[再生制御]

  • AudioStep

    「停止/開始」、「次の曲」のみ
    ※ 再生位置を示すようなスライダーがありますが、私の端末では機能していません。
    ※ 「一時停止/再開」ではなく、停止と曲の先頭からの開始になります。
  • Tempo Magic Pro

    「一時停止/再開」、「次の曲」、「前の曲」、「再生位置指定スライダー」のみ
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク
    ×
    再生停止/開始を制御できません。運動テンポにあった曲を見つけたら勝手に再生します。
    「曲の先頭」、「次の曲」のみあります。
  • Walking Player

    「一時停止/再開」、「次の曲」、「前の曲」、「曲の先頭」、「早送り」、「巻き戻し」、
    「再生位置指定スライダー」
    「一時停止/再開」は、フェードアウト/フェードイン制御します。
    ※Walking Playerは、標準のミュージックプレイヤーと同等の再生制御機能を持っています。

8.[イヤホンのリモコン制御対応]

  • AudioStep

    「停止/開始」、「次の曲」のみ
  • Tempo Magic Pro

    「一時停止/再開」、「次の曲」、「前の曲」のみ
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク
    ×
    イヤホンのリモコン制御に対応していません。
  • Walking Player

    「一時停止/再開」、「次の曲」、「前の曲」、「曲の先頭」、「早送り」、「巻き戻し」
    「一時停止/再開」は、フェードアウト/フェードイン制御します。
    ※Walking Playerは、標準のミュージックプレイヤーと同等の再生制御機能を持っています。

9.[バックグラウンド再生]

  • AudioStep

    タスクマネージャのNowPlayingセンター画面で再生制御できます。
    ロック画面はアートワークだけでなくBPM調整値も表示されます。
  • Tempo Magic Pro

    タスクマネージャのNowPlayingセンター画面で再生制御できます。
    ロック画面のアートワーク表示の解像度が低く、ちょっと汚いです。
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    バックグラウンド再生は可能ですが、タスクマネージャのNowPlayingセンターに
    登録していないため、バックグラウンドで再生制御できません。ロック画面に
    再生中の曲も表示されません。
  • Walking Player

    タスクマネージャのNowPlayingセンター画面で再生制御できます。
    ロック画面は標準のミュージックプレイヤーと同等のアートワーク画面になります。

10.[自動テンポ解析速度]

  • ・AudioStep

    iPhone5で、5分程度の楽曲のテンポ解析は数秒で完了します。
  • ・Tempo Magic Pro

    iPhone5で、5分程度の楽曲のテンポ解析は数秒で完了します。
    再生中にバックグラウンドでテンポ解析するため、テンポ解析の待ちがほとんどありません。
  • ・BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    iPhone5で、5分程度の楽曲のテンポ解析は数秒で完了します。
  • ・Walking Player

    iPhone5で、5分程度の楽曲のテンポ解析は10秒程度で完了します。
    ただし、再生中にバックグラウンドでテンポ解析します。

(コメント)
Walking Playerは解析時間がちょっと長いですが、再生中にバックグラウンドでテンポ解析しますので、さほど気になりません。でも、他のアプリと比べると見劣りがしてしまうので、いずれ改善したいと思っています(改善できるネタが実はあります)。

11.[再生中バックグラウンドテンポ解析]

  • AudioStep
    ×
    アプリ専用プレイリスト作成時にテンポを解析します。その間は他の動作ができません。
  • Tempo Magic Pro

    再生中にバックグラウンドでテンポ解析しています。
    ただし、どの曲のテンポ解析しているかは再生中にはわかりません。
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク
    ×
    アプリ専用プレイリスト作成時にテンポを解析します。その間は他の動作ができません。
  • Walking Player

    再生中にバックグラウンドでテンポ解析します。
    テンポ解析中の曲は、再生中曲一覧にプログレスパーが表示されます。

12.[テンポ解析正解率]

  • AudioStep
    ×
    41%
  • Tempo Magic Pro
    ×
    56%
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    81%
  • Walking Player

    94%
    自画自賛ですが、これはすごいです。YAMAHAさんの上を行くとは思っていませんでした。

テンポ解析正解率調査結果は、こちらです。

13.[テンポ手動測定機能]

  • AudioStep

    専用のテンポ測定画面で測定。曲の先頭からしか測定できません。
    何回タップしたか/何秒計測したか参考値が表示されません。
    いつまでたっても測定値が収束せず、いつまでタップしたらいいのか
    わかりません。単純にタップ回数÷測定時間で計算じゃないのかな?
  • Tempo Magic Pro

    専用のテンポ測定画面で測定。曲の先頭からしか測定できません。
    何回タップしたか/何秒計測したか参考値が表示されません。
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク

    専用のテンポ測定画面で測定。曲の先頭からしか測定できません。
    何回タップしたか/何秒計測したか参考値が表示されません。
    いつまでたっても測定値が収束せず、いつまでタップしたらいいのか
    わかりません。単純にタップ回数÷測定時間で計算じゃないのかな?
  • Walking Player

    再生中の曲を(テンポ調整状態で)測定可能なので、再生中にちょっと
    測定してみることができます。また、再生位置スライダーを使って
    曲の途中のリズムのはっきりした部分から測定可能です。
    何回タップしたか/何秒計測したか参考値が表示されます。

14.[テンポ調整後の音質]

  • AudioStep

    テンポ調整後の音質はTempo Magic Proの次に良いと思います。テンポ変更時、少し音が途切れます。
  • Tempo Magic Pro

    テンポ調整後の音質は一番良いと思います。テンポ変更の速度変化で音が途切れない工夫がされています。
  • BODiBEAT GPS ラン&ウォーク
    ×
    テンポ調整機能がありません。
  • Walking Player

    テンポ調整のリアルタイム追従性は一番よく、音の途切れもありませんが、バラード系のビブラートのよく効いた曲をスロー再生すると音質劣化が目立つことがあります。

(コメント)
Walking Playerは、OSが標準提供する音楽プレーヤーライブラリ(AVAudioPlayer)を使って再生速度調整しています。速度変化の追従性はすばらしいのですが、変更後の音質があまりよくないようです。他のアプリは、おそらく自前でライブラリを作って調整しているのだと思います。ここはWalking Playerももっと研究開発したいなと思っています。

[採点結果]

項目 AS TM BB WP
1.[価格] ×
2.[対応OS]
3.[日本語対応] × ×
4.[再生曲選択機能]
5.[再生テンポ変更機能] ×
6.[テンポが合う曲のみを再生する機能] × ×
7.[再生制御] ×
8.[イヤホンのリモコン制御対応] ×
9.[バックグラウンド再生]
10.[自動テンポ解析速度]
11.[再生中バックグラウンドテンポ解析] × ×
12.[テンポ解析正解率] × ×
13.[テンポ手動測定機能]
14.[テンポ調整後の音質] ×
○の数(2点) 3 5 4 11
△の数(1点) 7 5 5 3
×の数(0点) 4 4 5 0
合計点数 13 15 13 25

なんかWalking Playerをえこひいきするような結果になってしまいましたが、決してWalking Playerをひいき目に見て採点したつもりはありません。ただ、人によって大事な機能と大事でない機能が違うので、取り上げた比較項目の偏りを感じる方はいるかもしれません。例えばBODiBEATのようにオールインワンでGPS追跡機能やTwitter投稿機能が欲しい人にとってはそれらの項目が重要であり、ミュージックプレーヤーの使い勝手として重要な曲選択機能や再生制御機能はどうでもいいことでしょう。
少なくとも、今回取り上げたそれぞれの項目の中での優劣については公平に見たつもりです。今回の比較により、作者が大事だと思っていることの実現レベルが他のアプリと比べて見劣りするものではないことが確認できました。一方で、今のWalking Playerは自動テンポ解析速度が遅く、テンポ調整後の音質が悪いという課題も見えました。その点については今後真摯に取り組んでいきたいと思います。
正直言うと¥450もするMagic Tempo Proより多くの面で勝っており、有償にしてもよかったのかなとちょっと思いましたが、いまさら有償にすることはありません(たぶん^^;)。多くの人に使っていただいて、テンポ調整ミュージックプレイヤーの頂点に立てるよう頑張っていきたいと思います。

Walking Playerの機能制限をアナウンスする女性は誰?

バックグラウンド再生を30秒以上継続していると、いきなり「ウォーキングプレイヤーの機能制限のため、バックグラウンド再生を停止します。設定画面から制限機能の状態を確認できます。」と、面倒くさそうにしゃべって(^^;)音楽を停止してしまう女性に出会ったかと思います。

あの方の正体はOpen JTalkのMeiちゃんです。

音声案内は、他にもgoogleTTSのお姉さんとか、MacintoshのtalkコマンドにいるKyokoさんとか候補があってオーディションしたんですが、音楽演奏中にいきなりごちゃごちゃ話しかけてくるという場面で最も聞き取りやすいのがMeiちゃんでした。Meiちゃんにはさらにhappyバージョンとかangryバージョンとかもあるんですが、何かを説明する場面では、やはり淡々としたNormalのMeiちゃんが一番良かったです。
人が気持ちよく聞いている音楽を止めてしまうと言う嫌な役回りを引き受けてくれたMeiちゃん(いや、Open JTalkを開発/公開してくれた研究者の方々)に感謝です。

既に機能制限解除を購入していただいている方で、もしMeiちゃんの声が聞きたくなったら「設定画面」-「制限機能」で、「バックグラウンド再生」の項目をOFFにして、バックグラウンドで30秒以上再生すると、またあの声を聞けます。機能制限解除を購入した方は、いつでもその制限機能をON/OFFできます。

なお、英語モードの方は「Because of the restriction, walking player will stop the background play. You can confirm the restricted features in the settings menu.」と、ちゃんと英語でしゃべります。こちらは、Open JTalkの仲間のFlite+hts_engineにいるsltさんに案内していただいています。

イヤホンについて

iPhone5には、以下の写真のようなイヤホンが標準添付されています。

このイヤホンは、実は結構高機能でして、標準のミュージックプレイヤーで再生中に、以下のようなことができます。

  • 「+」ボタン
    →ボリュームアップ
  • 「-」ボタンクリック
    →ボリュームダウン
  • 真ん中のボタンをシングルクリック
    →再生中の曲の一時停止/再開
  • 真ん中のボタンを長押し
    →Siri起動
  • 真ん中のボタンをダブルクリック
    →次の曲再生
  • 真ん中のボタンをダブルクリック+長押し
    →早送り
  • 真ん中のボタンをトリプルクリック
    →曲の先頭に戻る。曲の先頭なら前の曲に戻る
  • 真ん中のボタンをトリプルクリック+長押し
    →巻き戻し

で、Walking Playerもこの標準のミュージックプレイヤーと同じ機能をしっかりサポートしています。

ただ、Siriさんは標準のミュージックプレイヤーをちょっとひいきしてて、標準のミュージックプレイヤーで演奏している時に「次の曲」とか「前の曲」とか「再生中の曲のタイトルは?」とかお願いするとちゃんと仕事してくれるんですが、Walking Playerで演奏している時に言っても「”ミュージック”Appで音楽を聴いているとき以外は、その操作はできません。」と、仕事拒否しやがります(T_T)。Walking Playerもリモコンで再生制御できるようにしてるんだから、Siriさんもアプリ名だけで判断しないで、もうちょっと頑張れば再生制御できるはずなんですけどねぇ。でも、ベタなカタカナ発音で「ウォーキングプレイヤー」と言うと、Walking Playerを起動してくれたりはします(^_^)。

なお、このリモコン制御はiPhone5標準添付のイヤホンでなくても可能です。以下のような安いBluetoothイヤホンでもちゃんと音が聞こえて再生制御できることを確認できてます。

ただ規格の違うイヤホンも一部あるようで、リモコン機能を期待して買われる方は、「iPhone対応」と書かれているか確認することをお勧めします。

バックグラウンド再生について

バックグラウンド再生中の機能について説明します。
これらは全て標準のミュージックプレーヤーと同等の機能です。

バックグラウンド再生中であるか否かは、ステータスバーの再生中マークでわかります。

ホームボタンをダブルクリックすると、以下のようなタスク一覧が出てきますが、

それを右にスワイプすると、以下のような画面が表示されます。

  • Walking Playerのアイコンをタップすると、Walking Playerの画面に戻ります。
  • Play/Pauseボタンをタップすると、Walking Playerで再生中の音楽の一時停止/再開ができます。
  • Prevボタンをタップすると、曲の先頭に戻ります。曲の先頭位置でタップすると前の曲に戻ります。
  • Fwdボタンをタップすると、次の曲にスキップします。
  • Prevボタン/Fwdボタンを長押しすると、巻き戻し/早送りができます。

さらにこれを右にスワイプすると、ボリュームコントロールが表示されます。

画面ロック状態では、以下のように再生中のタイトル名、アルバム名、アーティスト名、アートワーク画像が表示されます。

テンポ設定画面の「lock」ボタンについて

※この説明は、Walking Player v1.0~v1.02用です。
v1.10以降については「テンポ設定画面の「pin」ボタンについて」を参照してください。

テンポ設定画面の「lock」ボタンはタップする毎にON/OFFできるようになっており、ONになるのは、Min/Mid/Maxのいずれか1つです。

「lock」ボタンは、その項目の値を固定させる効果があり、他の項目の値を変化させても「lock」ボタンがONになっている項目は連動して変化しません。

(例1)Min:105 Mid:115 Max:125で、Midの「lock」ボタンをONにしている時、
・Maxを135に変えると、Midは変化せずMinの方が95になります。
・Minを110に変えると、Midは変化せずMaxの方が120になります。

(例2) Min:105 Mid:115 Max:125で、Minの「lock」ボタンをONにしている時、
・Maxを135に変えると、Minは変化せずMidの方が120になります。
・Midを120に変えると、Minは変化せずMaxの方が135になります。

「lock」ボタンがONになっている項目を直接操作した場合は、指定通り変化します。

再生テンポ変更ついて

プレイヤー画面」の「再生テンポ表示」をタップすると、以下のような画面が表示され、再生中の曲のテンポを自由に変更できます。

再生テンポ変更画面

(画面部品の説明)

  • 「オリジナル」ボタン
    再生テンポを元の曲のテンポにします。
  • 「戻す」ボタン
    再生テンポをこの画面表示開始時のテンポに戻します。
  • 「x1/2」ボタン、「x2」ボタン
    再生テンポを1/2倍、または2倍にします。
  • 「-1」ボタン、「+1」ボタン
    再生テンポを-1または+1します。
    このボタンは長押しでリピート動作し、押したまま再生テンポがリアルタイムに変更されます。
  • ピッカー(ドラム)
    再生テンポを指定値に変更します。ドラムが静止してから再生テンポが変更されます。
  • 「終了」ボタン
    この画面を終了します。画面上部の半透明パネルをタップするか、再生中の曲が終了した場合も、この画面は終了します。

(補足情報)

  • 歩きながら自分のペースに合うテンポに調整する場合、ピッカー(ドラム)を回して調整するより、「-1」ボタン、「+1」ボタンで調整する方が再生テンポがリアルタイムに変化するため、やりやすいです。

手動テンポ測定ついて

再生中の曲のテンポを手動で測定するには、「プレイヤー画面」の「オリジナルテンポ表示」をタップします。
すると、以下のような画面が表示されます。
手動テンポ測定画面

(テンポ測定方法)

  1. 再生中の曲の拍子にあわせて、「Tap to Beat!」のボタンを繰り返しタップします。
  2. タップするたびにテンポ値が再計算され、ピッカー(ドラム)の選択数値が変化します。
  3. しばらく(10~20回程度)タップを繰り返していると、ピッカー(ドラム)の選択数値がだんだん安定してきます。
  4. 安定した数値になったら、それがその曲の測定テンポです。
  5. そのまま「保存」ボタンを押すと、測定テンポが登録されます。

(補足情報)

  • タップに失敗してやり直したい場合は「リセット」ボタンを押します。「リセット」ボタンを押すとピッカー(ドラム)の選択値が「CLEAR」になります。
  • 「CLEAR」を選択している状態で「保存」ボタンを押すと、現在登録されている手動測定テンポ値がクリアされます。手動測定テンポ値をクリアすると、音楽プロパティまたは自動解析テンポの値がオリジナルテンポとして使用されます。
  • 正しいテンポがあらかじめ分かっている場合は、「Tap to Beat」をタップせず、自分でピッカー(ドラム)を回して直接テンポ値を指定してもかまいません。
  • この画面を終了するには「中止」ボタンを押すか、画面上部の半透明パネルをタップします。この場合、測定中のテンポは反映されません。また、再生中の曲が終了した場合も、この画面は終了します。
  • タップのタイミングは、きっちり正確でなくても大丈夫です。テンポ計算は、何秒間に何回タップしたかで計算しますので、重要なのはタップ回数です。タップタイミングのふらつきは全く問題ありません。ただし、少ないタップ回数で早めに測定値を安定させたい場合は、ファーストタップのタイミングをなるべく正確にしてください。ファーストタップのタイミングがずれると、測定値が安定するのに時間がかかるようになります。ファーストタップを失敗して測定値がなかなか安定しない場合は、一旦「リセット」ボタンを押して再測定したほうがよいかもしれません。

再生中曲一覧の色分けについて

再生中曲一覧は、4種類の背景色で色分けされています。

  • 白の背景色(→画面例)
    指定テンポ範囲内の曲です。この曲はテンポを調整せず、元の速度で再生します。
  • 薄い黄色の背景色(→画面例)
    指定テンポ範囲外のためテンポを調整して再生する曲です。再生モードを「Adjust play」モードにした時のみ表示されます。テンポ調整値は行の右端に「オリジナルテンポ↓再生テンポ」の形で表示します。
  • 明るいグレーの背景色(→画面例)
    指定テンポ範囲外のため再生をスキップする曲です。再生モードを「Skip play」モードにした時のみ表示されます。
  • 暗いグレーの背景色(→画面例)
    再生不可の曲です。この曲はWalking Playerでは再生できません。再生不可の曲を一覧から排除したい場合は、再生曲一覧設定画面で「再生非対応の曲を一覧に表示する」をOFFにします。主にDRM(著作権保護)付きの曲が再生不可の曲になります。DRM付きの曲の詳細は「再生したい曲がグレー表示になっていて再生できないのがあるんですけど?」を参考にしてください。

オリジナルテンポ情報詳細について

オリジナルテンポは、以下の3つのテンポ情報を元にして決定します。

  • 手動測定テンポ
    手動テンポ測定画面を使って登録したテンポデータです。
  • 音楽プロパティ
    音楽ファイルの中には「ID3 tag」と呼ばれる音楽情報(曲名、アーティスト名等)を書き込む領域があり、その中に曲のテンポ(BPM:BeatPerMinute)を登録するためのフィールドがあります。このBPMフィールドの値をここでは「音楽プロパティ」と呼んでいます。この値はパソコン上のiTunesアプリでも確認できます。(iTunesを起動し、楽曲を右クリックして表示されるメニューから「プロパティ」を選択すると、「情報」タブの中にBPM値が表示されます。)
    ただ、この音楽プロパティ(BPM値)が音楽ファイルの中に最初から登録されていることはめったにありません。
  • 自動解析テンポ
    手動測定テンポも音楽プロパティも登録されていない場合、Walking Playerは音楽データを読み込んで曲のテンポを自動解析します。その解析結果が「自動解析テンポ」になります。

オリジナルテンポは、
手動測定テンポが登録されていれば、それを最優先で使用します。
手動測定テンポが登録されてない時、音楽プロパティを第二優先で使用します。
手動測定テンポも音楽プロパティも登録されていない場合、自動解析テンポを使用します。